アメリカ大気研究センター(NCAR)の科学者らは、人間活動に起因する気候変動によって既に一部の地域で海洋の酸素量が減少しており、2030~2040年にかけては広範囲の海洋貧酸素化が確認できるようになるとの予測を公表した。水温が上昇すると海の酸素吸収量は減る。このため、海洋中の酸素濃度は地球温暖化に伴い低下するが、自然の変動性も大きく、人間由来の気候変動による酸素減少分の判定は困難だった。科学者らは、1920~2100年について、気温の設定をわずかに変えながら行った20回以上のシミュレーションデータを使い、NCARで開発されたコミュニティ地球システムモデルによる予測を行った。その結果、過去の酸素濃度の自然変動に関する指針が得られ、そこから気候変動による海の貧酸素化を算定できるようになったという。これによると、インド洋南部や熱帯太平洋東部、大西洋の一部ではすでに気候変動による酸素減少が始まっているが、アフリカ東海岸やオーストラリア、東南アジアなどでは2100年になっても明確な影響は出ないという。研究者らは、海の酸素濃度の高低を示す地図も作成した。
情報源 | アメリカ国立科学財団(NSF) プレスリリース |
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国・地域 | アメリカ |
機関 | アメリカ国立科学財団(NSF) |
分野 | 地球環境 水・土壌環境 |
キーワード | 気候変動 | アメリカ国立科学財団 | NSF | 海洋 | NCAR | 予測 | 水温上昇 | 貧酸素化 |
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