アメリカの科学者チームは、北大西洋における植物プランクトンの春季の大増殖(ブルーム)で吸収された炭素が、海洋の渦によって深海へ輸送されているとする研究成果を報告した。植物プランクトンは光合成により大量の炭素を吸収しており、海洋が大気中の炭素や気候に及ぼす影響を予測するためには、植物プランクトンが吸収した炭素がその後どこへ行くのかを解明する必要がある。これを明らかにするため、チームは水上観測機や自律型水中観測機を用い、海流と海洋の渦、海水の温度・塩分濃度、ブルームの化学的・生物学的性質等に関するデータの収集とモデル解析を実施した。その結果、通常ならプランクトンが育たない深海でも高濃度の植物プランクトンブルームの特性が検出され、炭素に富む表層水の深海への輸送において、海洋の渦が重要な役割を果たしていることが示されたという。チームは、海洋の炭素循環についての予測可能性の高いモデル構築のため、他の地域や季節も含め、海洋の渦とブルームの関係に焦点を当てたさらなる研究が必要だとしている。
情報源 | アメリカ国立科学財団(NSF) プレスリリース |
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国・地域 | アメリカ |
機関 | アメリカ国立科学財団(NSF) |
分野 | 地球環境 自然環境 |
キーワード | アメリカ国立科学財団 | NSF | 海洋 | 炭素循環 | 炭素 | 植物プランクトン | ブルーム |
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