アメリカ海洋大気庁(NOAA)などは、2017年夏季のチェサピーク湾のデッドゾーン(貧酸素水域)は平年以上の約1.89立方マイルになると予測した。これは、オリンピックサイズのプール約320万個分の体積に相当する。同湾のデッドゾーン計測が開始されたのは1950年で、最大デッドゾーンの30年間の平均は1.74立方マイルとなっている。無酸素の水域は、初夏が約0.35立方マイル、晩夏には約0.49立方マイルに増加すると推計されており、どちらの値も平均と同じか平均をやや上回るレベルである。農業や排水など、主に人為活動による富栄養化が同湾のデッドゾーンの原因となっており、原因となる栄養素は湾に注ぎ込むサスケハナ川から流入する。富栄養化によって藻類が大量発生し、これらが沈んで分解されると海底近くの酸素が減り、この付近に生息するカニやカキ、その他の水生生物が生存できなくなる。2017年春季には、サスケハナ川の流域となるニューヨーク州とペンシルベニア州で降雨量が最大となったため、長期平均より多い8140万ポンドの窒素がチェサピーク湾に流入したという。