アメリカ海洋大気庁(NOAA)は、2017年のメキシコ湾におけるデッドゾーン(貧酸素水域)の面積は8776平方マイルと1985年以降の記録史上最大と報告した。これまで最大だったのは2002年の8497平方マイルだった。過去5年間のデッドゾーンの平均面積は約5806平方マイルで、これはメキシコ湾貧酸素タスクフォースが設定した1900平方マイルという目標の約3倍となっている。メキシコ湾のデッドゾーンは、農業などに由来する栄養塩がミシシッピ川集水域から流出し、藻類の成長を促進し、やがてそれが分解される際に酸素を使い尽くすことで発生する。酸素が不足すると魚類の生息環境が失われ、魚類の繁殖能力の低下やエビ類の成長の遅れもありうるという。NOAAは、北メキシコ湾生態系および貧酸素評価プログラム(NGOMEX)を通じて、メキシコ湾のデッドゾーンの監視および調査に助成している。毎年のデッドゾーンの調査結果は、ミシシッピ川流域での栄養塩汚染を軽減する取り組みが機能しているかを評価するために用いられる。