アメリカ環境保護庁(EPA)は、太平洋岸北西部とアラスカの州や部族社会の湿地を保護回復するためのプロジェクトに約90万ドル助成した。健全な湿地は下流への水供給、洪水時の水の貯留、地下水涵養、汚染浄化、野生生物の生息地提供などの生態学的機能を持つ。助成対象となった14件のプロジェクトは、こうした湿地の保護・再生に寄与する。このうち、アラスカ保全科学センター(ACCS)は、マタヌスカ・スシトナ郡の9つの水域の湿地地図を更新する。同郡にはアラスカ州人口の14%が居住し、州で最も急速に拡大している。2015年に同郡における住居の新築は州全体の3分の1以上を占め、人口増、インフラ改修、気候関連の変化が湿地資源に累積的影響を及ぼすと懸念されている。地図は、景観情報を改善し、潜在的湿地機能を特定することで、開発許可や保全に関する意思決定に役立つ。また、ワシントン州生態学省は、湿地の種類、状態、生態系サービスの可能性を特定する分類システムのための研修コースを開発する。受講者としては、湿地コンサルティングや回復、保護、許可を担う地方政府や専門家を想定している。