欧州環境庁(EEA)は、EU加盟国が実施している気候変動緩和のための施策を分析した報告書を公表し、施策のコストや効果を定量的に示す情報が不足している、と指摘した。EEAによると、加盟国から報告を受けた1500以上の気候変動対策のうち、74%はEU規則やEU指令といったEUの法的措置に直結していることが分かった。また、加盟国の温室効果ガス(GHG)排出削減策は、省エネや再生可能エネルギーの推進、自動車排出ガス対策が中心で、大半が財政的な又は規制関連の施策であった(補助金や省エネ基準など)。こうした中、2017年は、GHGの排出削減効果について情報提供を行った国は9カ国にとどまっているという。EEAは、現行の気候変動対策の正確な効果を算出するのに必要な情報が不足しているとして、こうした情報の提出に向けて加盟国が一層努力するよう求めている。さらにEEAは、建物の省エネに関する各国の施策についても報告し、特にGHGガス削減の効果や費用・便益についての定量的な情報が不足していると指摘する。