ドイツ連邦環境省(BMU)は、新たな放射線保護法のもと、ラドンから国民の健康を予防的に守るための行動計画を公表した。ラドンは自然に発生する放射性希ガスで、土壌から建物に侵入して屋内の空気を汚染する。肺の中でのラドン崩壊、および崩壊生成物は、ドイツでは喫煙に次ぐ肺ガンの主要因となっている。今回のラドン行動計画の基盤となっている放射線保護法は、欧州原子力共同体(ユーロトラム)の基本安全基準指令をドイツで国内法化する過程で広範囲にわたって改定された。これを基に、行動計画は職場だけではなく、今回初めて、人々が集まる屋内環境をも対象とし、ラドン曝露低減への目標と戦略を示した。行動計画は、州の参加のもとBMUが作成し、専門家だけではなく市民も対象に、ラドンに対する連邦と州の保護対策について情報を提供している。この行動計画の実施第一歩として、連邦放射線保護庁(BfS)がラドン・ハンドブックの新版を作成し、ラドンからの保護に関する建築上の対策を実用的かつ分かりやすく説明している。