北極評議会は、2019年5月7日にフィンランドのロバニエミで開催された閣僚会合で、北極圏監視評価プログラム(AMAP)の2019年版北極圏気候変動報告書と2つの報告書の政策決定者向け要約を公表した。それによると、北極圏では世界平均の2倍以上の速度で温暖化が進行している。北極圏の過去5年の気温は1900年以降で最高であり、9月時点の海氷量は1979年比で75%減少した。海氷減少によって藻類発生時期が変わり、これが食物網全体に影響する可能性もある。海洋酸性化による脅威も増しており、主要漁業が成り立たなくなる可能性も示された。また、風や海流に乗って北極圏に運ばれる汚染物質が野生生物と生態系の健全性を脅かしている。残留性有機汚染物質(POPs)や水銀などは世界的に生産が規制されているが、北極圏の最上位捕食者の体内濃度は未だ高く、使用を規制してももはや低下しないとみられている。閣僚会合は、北極圏外での人間活動が北極圏に著しく影響することを認識し、監視網を強化する必要性を再確認した。
情報源 | 世界気象機関(WMO) ニュース 北極圏監視評価プログラム(AMAP) 報告書要約 |
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国・地域 | 国際機関 |
機関 | 世界気象機関(WMO) |
分野 | 地球環境 |
キーワード | 野生生物 | 北極圏 | 汚染物質 | 藻類 | 残留性有機汚染物質 | 海洋酸性化 | 北極評議会 | 北極圏監視評価プログラム | 北極圏気候変動報告書 | 海氷減少 |
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