フィンランド環境研究所(SYKE)は、水域の生態学的状態(人間活動が水生生物に及ぼす影響)に関する最新評価結果を公表した。地表水は6875ヶ所の湖沼、河川、沿岸水を評価した。湖沼の87%、河川の68%は良好又は極めて良好な状態であり、2013年の評価と大きな違いはなかった。全体として、大規模な湖沼のほうが状態が良く、小規模な湖沼は富栄養化が課題となっている。沿岸水では、フィンランド湾の状態はサンクトペテルブルクの排水処理効率化などが奏功して一部改善したが、それ以外の沿岸水の大部分で生態学的状態は良好ではなかった。地下水は3800ヶ所評価し、9%が人間活動に起因するリスク要因のために良好な状態ではなく、4%がデータ不足だった。同国は2019年に水保護の効果を高めるプログラムを立ち上げ、農業からの栄養塩流出削減、水質回復事業の推進、都市近郊水域への有害物質排出削減などの措置が行われることとなっている。水域の状態評価は全EU加盟国で6年ごとに実施されている。EUは2027年までに地表水を良好な状態にすることを目標としている。