ドイツ連邦内閣は昆虫とその多様性の保護のための包括的行動計画を承認した。これは、農薬使用規制の強化など昆虫減少の主要因への対策を9分野にわたりまとめた施策パッケージである。具体的には、規則を厳格化し、昆虫にとって重要な生息空間の保護を強化する。例えば除草剤グリホサートの使用を2023年には禁止し、それまでの間も使用を大幅に制限していく。また法的保護の範囲を、豊富な種が生息する草地や果樹園にまで拡大する。保護地域や水域との境界部分では、特に有害な除草剤や殺虫剤の使用は完全に禁止される。規則の厳格化とならんで、昆虫保護のための資金も大幅に増やす。連邦政府は新たに年1億ユーロを投じ、昆虫保護のための特別プログラムに年間最高で5000万ユーロ、農業用地以外の昆虫保護に2500万ユーロ、昆虫研究および連邦レベルの昆虫モニタリングシステムの構築に2500万ユーロを支援する。このほか行動計画には、農村から都市まで昆虫の生息空間の保護と回復、光害の抑制、昆虫の生息空間への栄養塩や汚染物質の流入を減らす対策なども含まれる。