中国科学院(CAS)大気物理学研究所(IAP)の研究者らは、「世界の屋根」として知られるチベット高原は、気候モデルの予測よりも早く温暖化する可能性があると報告した。この研究では、観測された温暖化における様々な外的要因を分離して定量化するために、第5期結合モデル相互比較計画(CMIP5)の包括的気候モデルを使用して、チベット高原における温暖化(1961~2005年の間に1.23℃上昇)の主要因は人間の影響であり、温室効果ガスの寄与による上昇は約1.37℃で、人為的な発生源のエアロゾルによってわずかに相殺されたことを確認した。また、CMIP5ではチベット高原の人為的な温暖化を過小評価する傾向があることから、分析結果を用いて将来の予測を修正したところ、チベット高原は従来の予想よりも早く温暖化する可能性が高いことが明らかになった。