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 中国科学院など、アルミニウムは海洋の炭素吸収能力を高め気候変動を緩和する可能性があると報告

発表日:2021.05.06


  中国科学院(CAS)とカナダ国立科学研究所の共同チームは、海洋のCO2吸収能力の向上に関する研究結果を報告した。海洋はCO2吸収源としての役割を果たすことで、ネガティブエミッションに貢献できる大きな可能性を有している。同研究により、海洋に少量のアルミニウムを加えることで、海洋植物プランクトンによる鉄と溶存有機リンの利用効率を向上させ、海洋上層での炭素固定を促進するだけでなく、生物起源の有機炭素の分解速度を低下させ、深海底での炭素固定を促進する可能性があることが明らかになった。また、過去16万年の南極海へのアルミニウム流入量と大気中のCO2濃度との間には、有意な負の相関関係があることも判明した。同研究に基づく計算によると、適度な濃度のアルミニウムを海洋に加えることで深海の粒状有機炭素の量が1~3桁増加し、これにより海洋の炭素吸収能力が大幅に向上し長期間にわたって炭素が海洋に封じ込められ、気候変動が緩和される可能性がある。

情報源 中国科学院(CAS)ニュース
国・地域 中国
機関 中国科学院(CAS)
分野 地球環境
キーワード 気候変動 | 中国科学院 | 深海 | 炭素固定 | 鉄 | アルミニウム | ネガティブエミッション | カナダ国立科学研究所 | 海洋植物プランクトン | 溶存有機リン
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