人工衛星センサー等の現在の観測ツールは、地球上に近年蓄積されたと考えられる熱量の約半分を測定できていないとする研究成果が、国立大気研究センター(NCAR)の研究者によってまとめられ、「サイエンス」誌に掲載された。これらの観測機器は、深海やその他の気候システムのどこかに蓄積されていると見られる“失われた熱”を追跡するのに適していないという。研究者によると、温室効果ガスによって地球上に蓄積される太陽光のエネルギーを人工衛星のデータから推計すると、1平方メートル当たり約1ワットとなるが、海洋機器で測定された海洋表層の蓄熱量は約0.5ワットとなり、熱量全体の半分が測定されていないことになるという。失われた熱量の割合は不確実だが、人工衛星や地表のセンサーの測定及びデータの加工が不正確だったことが原因だという。失われた熱量の大半は海洋中にある可能性があり、深さ1000~2000mの地点で熱量が増加している例が確認された。研究者は、さらなるデータ分析と人工衛星の分析のための新しいアプローチ等を呼びかけている。
情報源 | アメリカ国立科学財団(NSF) プレスリリース |
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国・地域 | アメリカ |
機関 | アメリカ国立科学財団(NSF) |
分野 | 地球環境 |
キーワード | 人工衛星 | 気候変動 | 温室効果ガス | アメリカ国立科学財団 | NSF | エネルギー | 海洋 | 深海 | 熱量 | 気候システム |
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