国連環境計画(UNEP)は、何億人もの人々に、文化的、経済的、娯楽的、社会的に重要な利益をもたらし、嵐による被害から海岸線を守り、薬の供給源にもなっているサンゴ礁が死にかけているという、調査結果を発表した。サンゴ礁は、気候変動、水質の低下、乱獲、汚染、持続不可能な沿岸開発などの様々な問題によって、絶え間ないストレスにさらされている。地球温暖化を1.5℃に抑えるための抜本的な対策がなければ、2050年までにサンゴ礁の生きたサンゴが70~90%減少する可能性がある。しかし、サンゴの地表面を覆っている度合いと多様性の高さは回復力が高いことを意味しており、海洋環境を保護し、適切な条件を整えれば、回復することができる。国連生物多様性条約の「2020年以降の生物多様性枠組」にサンゴ礁を優先的な生態系として含め、政府、企業、その他の関係者に、サンゴ礁の健全性を守る責任を負わせるなどの取り組みが必要である。