「2010年までに世界の生物多様性の損失速度を減少させる」という国際的な目標は達成されず、生物多様性は著しく減少した、という研究結果が、サイエンス誌掲載の論文に発表された。この研究は国連環境計画(UNEP)などの科学者チームが実施したもので、2002年の生物多様性条約(CBD)締約国会議で掲げられた生物多様性2010年目標の未達状況に対する初の評価となる。研究では、生物種の個体数や絶滅のリスク、生息域の範囲や生物群集などの変化をはじめ、生物多様性に関連する30以上の指標を総合し、生物多様性の減少速度が顕著に減少した証拠は認められず、生物多様性への圧力は増大し続けていることが明らかにされた。ただし、明るい材料もあり、ブラジルでは2万平方キロに及ぶジュルエナ国立公園が設置され、ヨーロッパバイソンは個体数が回復し、ニュージーランドのクロセイタカシギなど、絶滅が食い止められた例もある。だが全体としては、生物多様性の損失を食い止める取り組みは大幅に強化する必要があり、その有効性を監視して向上させるためには、地球規模のモニタリングと指標に対する持続的な投資が必要であるという。研究結果は、2010年5月10日に発表されるCBDの「地球規模生物多様性概況第3版」にも盛り込まれる。
情報源 | 国連環境計画(UNEP) プレスリリース |
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国・地域 | 国際機関 |
機関 | 国連環境計画(UNEP) |
分野 | 自然環境 |
キーワード | 生物多様性 | 国連環境計画 | UNEP | 生物多様性条約 | CBD | 絶滅 | 2010年目標 | 個体数 | 生息域 | 地球規模生物多様性概況 |
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