国連環境計画(UNEP)は、ブラジル政府が新たに2つの海洋保護区を指定したことを報じた。これにより、ブラジルの海域に占める海洋保護区の比率はこれまでの1.5%から24.5%に拡大し、2020年までに沿岸域および海域の10%を保護するという生物多様性条約(CBD)の愛知目標を上回った。保護区に指定されるのは、サンペドロ・サンパウロ群島周辺と、トリンダデ島とマルティン・ヴァス諸島をつなぐ海底火山帯。両保護区には、キハダマグロ、サバ、キングフィッシュなどの遠海魚、エイ、タコ、サメ、クジラ、イルカ、ウミガメなど多様な生物が生息する。保護区は規制された経済活動が許可される区域と自然遺産とに区分される。今回の発表は、ブラジリアで3月23日まで開催中の第8回世界水フォーラムで行われ、同フォーラムに参加したエリック・ソルハイムUNEP事務局長は、100万平方キロメートル近くを保護する画期的取組としてブラジルの約束を称賛、他国が後に続くことに期待を示した。