国連環境計画(UNEP)の地球資源情報データベース(GRID)アーレンダール・センター(ノルウェー)は、「観光と環境保全の連携」事業を推進している。この事業は、自然保護区の管理と発展に、観光事業がどのように貢献できるかを調査研究するもので、北ノルウェー・スヴァールバル群島の保護区が、1990年代に環境保護団体と観光業者の共同活動によって設けられたという成功事例をモデルとしている。極地では、気候変動による生物多様性への影響が現れやすく、環境保全への啓蒙効果が大きいことから、GRIDアーレンダール・センターでは、自然保護活動家、ジャーナリスト、一般市民が参加するスタディ・ツアーを、2010年8月末にスヴァールバルで、11月に南極大陸で行う予定である。また、世界各地の観光地における環境保全の成功事例を掲載した対話型地図の作成も目指している。この地図によって、環境保全に貢献する観光事業への投資が促進され、旅行者も環境保全に積極的な観光地を選ぶことができると期待されている。