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 アメリカの生態学者ら、湖での実験により、生態系の崩壊は微小な前兆現象の検出により予見可能と報告

発表日:2011.04.28


  アメリカのウィスコンシン大学を中心とする研究チームは、ウィスコンシン州北部の湖での実験をもとに、生態系の崩壊は微小な前兆現象の検知により予見でき、防止も可能であると報告した。これまで、このような変化は予測できないと考えられていた。研究チームは、小魚が優占種である湖に、小魚の捕食者であるオオクチバスを3年にわたり漸次移入し、湖の化学的、生物学的、物理的な変化を詳細に監視した。その結果から、食物連鎖が変化する1年以上前にミジンコの個体数が場所により変動したことがわかった。小魚は、捕食者から逃れて、湖中心部から沿岸部や水没した木の周辺などに移動する。その結果、湖中心部では小魚の餌のミジンコが繁殖し、ミジンコの餌の植物プランクトンの繁茂が抑えられる。このような微細な変化を観察することによって、その後に起きると考えられる生態系全体の大きな変化を知ることができるという。研究者らは、実用化のためには、それぞれ個別の生態系における緻密で継続的なモニタリングが必要であるとしている。

情報源 アメリカ国立科学財団(NSF) プレスリリース
国・地域 アメリカ
機関 アメリカ国立科学財団(NSF)
分野 自然環境
キーワード プランクトン | モニタリング | 生態系 | アメリカ国立科学財団 | NSF | 湖沼 | 個体数 | ミジンコ | 捕食者 | 前兆
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