フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)が2011年1月に実施した調査で、検査した水サンプルの4分の1に、微量の医薬品(主にカフェイン、抗けいれん薬、抗不安薬)が含まれていることがわかった。これらは、人や動物が摂取した医薬品の成分が、排泄物を通じ水系に流れ込んだものと考えられるほか、未使用の医薬品年間約3万トンのうち、回収されるのは1万3000トンにとどまることから、不適切な処分も原因とみられるという。検出された薬剤の量は、1リットルあたりナノグラム程度ときわめて微量だが、環境や健康に及ぼす影響は明らかになっていない。環境中のバクテリアの薬剤耐性といった問題も懸念され、リスクの評価と薬剤の拡散防止対策が不可欠とされる。エコロジー・持続可能開発・運輸・住宅省(MEDD)らは、このための初の行動計画を2010年10月13日に定めている。計画は、1)リスク評価(モニタリング・解析)、2)短期的対策(未使用薬品の回収・処分、処分方法の明示)、3)知見拡大等を骨子とし、長期的には欧州全体で、薬剤の市販許可を審査する際に水系への放出まで考慮することが望ましいとしている。
情報源 | フランス エコロジー・持続可能開発・運輸・住宅省(MEDD) プレスリリース |
---|---|
国・地域 | フランス |
機関 | フランス エコロジー・持続可能開発・運輸・住宅省(MEDD) |
分野 | 健康・化学物質 水・土壌環境 |
キーワード | モニタリング | 回収 | バクテリア | 水質汚染 | 医薬品 | 食品環境労働衛生安全庁 | エコロジー・持続可能開発・運輸・住宅省 | MEDD | カフェイン | 排泄物 |
関連ニュース |
|