世界気象機関(WMO)と国連環境計画(UNEP)は、ブラックカーボン(煤)、地表オゾン、メタン等の排出削減を迅速に行うことで、短期的な気温上昇を抑制できるとともに、健康と農作物への被害も緩和できるとの報告書『ブラックカーボンと対流圏オゾンの統合評価』を公表した。これによると、ブラックカーボンやオゾン、メタンは強力な温室効果があるが、寿命は数日から数週間と短いため、大気中に何百年も存在するCO2と異なり、削減対策には即効性がある。同対策を進めることにより、21世紀を通じた気温上昇を2℃以内に抑える可能性があり、極地の融氷を招くとされるブラックカーボンを迅速に削減すれば、極地の気温上昇を今後数十年で3分の1に抑える可能性もあるという。さらに、こうした汚染物質は、呼吸器や心臓の疾患を引き起こし、作物被害の原因ともなるため、排出抑制は健康や農業への利益も大きい。報告書では、石炭石油産業でのメタン回収措置、自動車排ガス用のフィルター設置、バイオマスストーブ導入、野焼き禁止、有機廃棄物の埋立処分から堆肥への切り替え等の限られた対策で効果があるとしている。
情報源 | 世界気象機関(WMO) プレスリリース 国連環境計画(UNEP) プレスリリース |
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国・地域 | 国際機関 |
機関 | 世界気象機関(WMO) 国連環境計画(UNEP) |
分野 | 地球環境 大気環境 |
キーワード | 地球温暖化 | 世界気象機関 | WMO | メタン | 国連環境計画 | UNEP | 健康影響 | ブラックカーボン | 地表オゾン | 煤 |
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