企業活動による生物多様性への影響と保全への貢献について、ヨーロッパ全体でひとつの評価基準を設定する動きが進行中である。現在、自然環境保全欧州センター(ECNC)らが開発した「欧州生物多様性基準」(EBS)と、世界自然基金などによる類似の評価法が併存している。これらを集約し、ヨーロッパ経済界に対して単一の包括的評価制度を提示できるようにするため、このほど国際自然保護連合(IUCN)の主催によりECNC内で関係者らの会合が開かれた。民間企業の経済活動に伴う環境への悪影響を抑制し、ヨーロッパの生態系保護を推進するためには、保護活動に企業を巻き込むことが肝要である。そのために数々の取組がなされてきたが、今回はヨーロッパ統一認証制度が検討されることになった。完成すれば、今後数年内に設けられるであろう世界統一基準の一部をなすものとなり、また2011年4月に「持続可能な発展のための世界経済人会議」(WBCSD)が発表した『企業のための生態系評価ガイド』を補完するものにもなるという。