カナダ環境省は、ホッキョクグマを絶滅危惧種法の懸念種に指定した。この指定により、3年以内にホッキョクグマ管理計画が策定されることになる。管理計画の最終目標は、懸念種の指定が解除されるよう人間活動の影響を減らすことにあり、ホッキョクグマの捕獲等を禁じるものではない。管理計画は、2011年10月に同国イカルイトで開かれた会合で、米国、ロシア、ノルウェー、グリーンランドの協力を得て策定した国家ホッキョクグマ保全戦略が土台となる。カナダ環境省は今回の指定に先立ち、州政府、準州政府、地域野生生物管理委員会、先住民その他の関係者から広く意見を聴取し、その結果、大多数から指定への賛意を得た。ケント環境大臣は「世界のホッキョクグマの3分の2が生息するカナダには、それを保全する大きな責任があり、懸念種として絶滅危惧種法に記載することは、この国の環境保護にとっても、そこに生息する動物にとっても資するものである」と述べている。