アメリカ国立科学財団(NSF)は、水・持続可能性・気候(WSC)プログラムの下で助成している、ウィスコンシン州ヤハラ川流域マディソン市を中心とした生態系サービスに関する研究について、紹介記事を掲載した。研究を実施しているウィスコンシン大学のチームによると、マディソン市は、人口が増加する都市部のほか、農地、森林、湿地などが混在し、ヤハラ川流域の生態系サービスの恩恵を受けつつも、地下水採取による水環境の変化や、肥料による水質汚染、ヒートアイランド現象等さまざまな課題をかかえ、都市化問題の典型都市だという。そのため、研究チームは現在、160か所以上の観測網により気温・湿度モニタリング等を行い、気候や土地利用の変化による流域への影響と生態系サービスの維持について研究を進めている。水の質と量の確保は人類が直面する緊急課題であるが、地球の水循環や、それと気候や人間活動との関わりについてはあまりわかっていない。こうした問題への理解を深めるため、NSFのWSCプログラムでは、ヤハラ川流域の研究を含め17のプロジェクトを助成している。