国連は、世界の緊急課題である環境・社会・経済問題の解決のため、大学や技術・研究機関をつなぐ「持続可能な開発ソリューションネットワーク(SDSN)」を発足させた。世界の政治は短期的な課題に集中しがちであり、また政府は長期の持続可能な開発戦略に必要な情報を持たないことが多い。そのため、政府外の科学者や技術専門家が長期的な分析や実証的な事業及び開発の道筋の提示を支援することが不可欠だという。SDSNは、企業、市民団体、国連機関等の国際機関を含む関係者も協働して、持続可能な開発を実現するための最良の方策を見つけ、共有することが期待される。リーダーを務めるコロンビア大学のジェフリー・サックス教授は、「1992年の地球サミットから20年の間に世界はいくつかの深刻な環境・社会問題への対応に失敗している。学術界の関与と、民間の企業や市民の技術ノウハウを活用する必要がある」と抱負を述べた。SDSNは、国連の「2015年以降の開発アジェンダに関するハイレベル・パネル」との緊密な協力のもとに運営される。