国連環境計画(UNEP)は、世界の6地域(汎欧州、北米、アジア太平洋、西アジア、中南米、アフリカ)ごとに環境問題を詳細に分析した「地球環境概況6(GEO-6):地域評価」を公表し、世界中で環境変化が予想以上のペースで進行しており、その被害を食い止めるため政府は直ちに行動すべきと強調した。この地域評価は2017年に発表予定のGEO-6の基本情報となる。これによると、ほとんどの地域で人口増加や急速な都市化、消費拡大、砂漠化、土地劣化、気候変動が相まって水不足が深刻化している。また、こうした傾向により、世界的に食料問題も深刻化しているという。同書は地域の重要課題として、人や産業の廃棄物による水質汚濁(アジア太平洋)、土地劣化・砂漠化の拡大(西アジア)、土地劣化や大気汚染、飲料水(アフリカ)等の状況を報告。また、全体的に、政策決定への情報源となるデータの収集・処理・共有の強化や、生態系を損なわない天然資源の利用、等の対策を提言している。なお、汎欧州の地域評価は2016年6月8日に公表される。