ラムサール条約事務局は、ブータンの湿地2カ所を、同国初となる条約の「国際的に重要な湿地」に正式に登録し、これらに関する説明を注釈リストに掲載した。ブータンは2012年5月7日にラムサール条約に加入、同9月7日に国内で条約が発効している。今回登録されたのは、北東部のボムデリンと中部のブラックマウンテン西にあるコトカの2カ所。いずれも、地域に水源や生計手段を提供しており、同時に、絶滅危惧種のオグロヅルの越冬地であり、ヒマラヤジャコウジカやイヌ科のドールなど絶滅危惧種の生息地でもある。ラムサール条約(「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」)は、湿地及びその資源の保全と賢明な利用のため各国の行動や国際協力の枠組みを定めた多国間条約で、1971年にイランのラムサールで採択され、1975年に発効した。2012年9月28日現在、締約国は163ヶ国、登録湿地数2056か所、登録湿地の総面積は1億9386万1739ヘクタールとなっている。