世界資源研究所(WRI)は、気候変動および極端気象現象によるデッドゾーン(貧酸素水域)への影響について考察した記事を発表した。デッドゾーンは、魚類等の海洋生物が生息できない、酸素の少ない水域で、農場や都市部から水域に流れ込んだ窒素やリン等の汚染物質によって藻類が繁茂した後、死滅後の分解過程で酸素が消費され発生する。デッドゾーンは過去50年間で急増しており、WRIでは、その頻度と発生期間が極端気象現象等の影響で悪化していると分析している。その影響は、アメリカのチェサピーク湾やオレゴン州沿岸、エリー湖、南太平洋のクック諸島等で見られるという。温暖化により、豪雨が多発し大量の栄養塩が陸から流入することや、海水の成層化が進み海水の撹拌を妨げること、風のパターンが変化し貧酸素水の拡散を妨げること等が、デッドゾーンの拡大や長期化をもたらすとしている。WRIは、淡水域や沿岸海域の資源を守るには、栄養塩汚染や温室効果ガスの削減対策だけなく、不確実な気候に対して柔軟に対応できる、修復・再生戦略が必要だとしている。
情報源 | 世界資源研究所(WRI) プレスリリース |
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国・地域 | アメリカ |
機関 | 世界資源研究所(WRI) |
分野 | 地球環境 水・土壌環境 |
キーワード | 海洋生物 | 環境修復 | 気候変動 | 世界資源研究所 | WRI | 汚染物質 | デッドゾーン | 気象 | 環境再生 | 貧酸素 |
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