国際気候政策の世界的な専門家グループ(ACT2015)は、2015年パリでの国際気候合意の内容に関する提案書を発表した。この提案は、世界資源研究所を中心に先進国や途上国の研究機関・専門家らが、過去1年間にわたる各国政府や利害関係者とのワークショップで得た情報と分析に基づくものである。提案では、すべての国が参加する国際合意を目指し、その土台となる必須3要素として、1)21世紀後半のできるだけ早い時期に温室効果ガス排出を段階的に正味ゼロとするための長期目標(先進国と途上国で異なる達成期限)、2)気候変動の影響を受ける社会の脆弱性低減と適応力向上のための長期目標、3)各国行動の5年毎の評価と強化、を提案。またパリ合意を成功に導く8つの機能(低炭素経済が不可避であることの明示、最新の科学的証拠に基づく行動、気候影響のリスクを組み込んだ開発と計画、気候行動における公正・衡平・正当性の実現、各国約束の透明性と説明責任の確保等)も提示した。専門家らは、2015年初めにパリ合意の包括的な法的文書も提案するという。