清水建設(株)は、恵和興業(株)と共同で、災害廃棄物から造粒再生砕石を製造する技術を開発・実用化したと発表した。災害廃棄物の処理現場では、環境負荷の低減と工事採算の改善のために、廃棄物のリサイクル率向上が最大の課題になっている。各現場では、災害廃棄物の造粒再生に取り組んでいるが、再生できるのは一部の廃棄物に限られ、かつ用途も再利用先が非常に少ない土砂の代用品に限られていた。今回開発した技術は、恵和興業が宮城県の補助金を得て開発した建設系不燃混合物の造粒技術をベースに、不燃混合物と焼却主灰、残渣をまとめて路盤材等の付加価値の高い造粒再生砕石に加工するもの。この技術により、清水建設JVが担当する南三陸災害廃棄物処理業務の現場では、災害廃棄物のリサイクル率が99%に達する見込みとなった。また、造粒再生砕石は、路盤材や地盤の嵩上げ盛土材に求められる品質基準や、環境省土壌汚染対策法の基準を満たしていることから、南三陸町内の復興事業で路盤材や地盤の嵩上げ用盛土材等として再利用される予定という。