(独)理化学研究所は、セシウムと結合し植物への取り込みを抑制する化合物を発見したと発表した。福島第一原子力発電所事故により拡散された放射性物質のうち、放射性セシウム「セシウム137」は、半減期(自然崩壊して半分に減るまでの時間)が30年と長いこと、土に含まれる粘土や有機物と強く結び付くことから、土壌汚染で問題視されている。これまでの研究で高濃度のセシウムが植物の生長を阻害することや、化学的性質が似ているカリウムの取り込み経路がセシウムの取り込みにも関わることが分かっている。今回、共同研究グループでは、セシウムに対する耐性を高める化合物として5種を選択。それぞれの化合物で処理した植物に含まれるセシウム濃度を分析した結果、「CsTolen A」に植物体内のセシウム蓄積量を著しく低下させる効果があることが分かった。土壌での実験でも、「CsTolen A」が植物のセシウム取り込みを抑制することを確認した。今後、放射性セシウムの農作物への移行を低減する技術開発に活用されることが期待されるという。
情報源 |
(独)理化学研究所 プレスリリース
(独)理化学研究所 60秒でわかるプレスリリース |
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機関 | (独)理化学研究所 |
分野 |
健康・化学物質 水・土壌環境 |
キーワード | 土壌汚染 | 理化学研究所 | 植物 | 化合物 | 農作物 | 放射性セシウム | 耐性 |
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