理化学研究所と京都大学は、有機薄膜太陽電池(OPV)の光エネルギー損失を無機太陽電池並みまで低減することに成功したと発表した。OPVは、半導体ポリマーをプラスチック基板に塗って薄膜化することで作製できるため、コストや環境負荷を抑えることができる。また、大面積化が容易なうえ、軽量で柔軟という現在普及している無機太陽電池にはない特長を持つ。今回研究チームでは、新しく開発した半導体ポリマー「PNOz4T」を用いることで、OPVの光エネルギー損失を無機太陽電池並みの約0.5eVまで低減し、エネルギー変換効率も最大で9%を示した。また、PNOz4Tの薄膜を分光法により詳細に解析したところ、薄膜を改善することで、エネルギー変換効率がさらに向上する余地があることが分かった。この研究で開発したPNOz4Tの性質を最大限に引き出すことができれば、OPVのエネルギー変換効率は実用化レベルの15%程度まで向上する可能性がある。研究チームでは、2016年度中での12%達成を目指すという。
情報源 |
京都大学 研究成果
科学技術振興機構(JST) 共同発表 |
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機関 | 理化学研究所 京都大学 科学技術振興機構(JST) |
分野 |
地球環境 |
キーワード | 太陽電池 | 理化学研究所 | 半導体 | 京都大学 | 有機薄膜 | エネルギー変換効率 | エネルギー損失 | OPV |
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