東京大学は、放射性元素による汚染浄化に応用可能な長期固定機構を発見したと発表した。世界各地の核関連施設や鉱山の周辺では、放射性元素による地下水汚染が環境問題となっている。日本では福島第一原発事故で発生した汚染水の地下水への漏洩や高レベル放射性廃棄物の地層処分の問題を抱えている。地下水中の微生物の働きを利用して放射性元素を固定する技術が提案されているが、微生物は放射性元素をナノ粒子として地下水から除去するため、長期安定性に対する懸念があった。今回研究グループでは、日本原子力研究開発機構、京都大学、茨城高専との共同研究によって、岐阜県の瑞浪超深地層研究所において掘削した岩石コア試料を調査した結果、地下水に含まれるウランがナノ粒子として沈殿し、炭酸カルシウム鉱物に取り込まれ、100万年近く固定されていることが明らかとなった。炭酸カルシウム鉱物とウランのナノ粒子は、微生物の栄養を地下水に加えることで人為的に発生させることが容易なため、放射性元素の長期固定により安全を確保する技術に応用できるという。
情報源 |
東京大学大学院理学系研究科 プレスリリース
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機関 | 東京大学 |
分野 |
健康・化学物質 水・土壌環境 |
キーワード | 微生物 | 地下水汚染 | ナノ粒子 | 東京大学 | 浄化 | 炭酸カルシウム | ウラン | 放射性元素 |
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