農研機構農業環境変動研究センターと東北大学は、土着ダイズ根粒菌を用いて、収穫期のダイズ畑からの一酸化二窒素(N2O)発生量を30%削減できることを証明したと発表した。世界のN2Oの最大の人為的発生源は農業で約60%を占めており、農耕地から発生するN2Oを削減する技術が求められている。同センター等は、日本の農耕地の土壌に生息している土着ダイズ根粒菌に着目し、N2Oを還元する酵素を持つ株を全国から採集し、これらの混合株をダイズに接種することにより、収穫期のダイズ畑からのN2O発生量を30%削減できることを野外実験で証明した。この手法は、多様な土壌や気象を持つ日本の農業現場でも導入しやすく周辺環境への影響が小さいことが期待されるという。