東京大学農学生命科学研究科は、強力な温室効果ガスである一酸化二窒素(亜酸化窒素:N2O)を無害の窒素ガス(N2)に変換して生育する微生物を、水田土壌から検出し、分離培養することに成功したと発表した。N2Oは、オゾン層破壊物質でもあり、フロンガスの使用規制がなされている近年は、N2Oがオゾン層破壊の第一の原因であると報告されている。また、毎年発生するN2O量の約半分は農業由来であると見積もられている。今回、水田土壌から検出した微生物は、酸素の代わりにN2Oを利用して呼吸する性質を持ち、さらにその中には、農地に投入した窒素肥料に含まれる硝酸や亜硝酸を還元する機能(硝酸還元能/亜硝酸還元能)を持たず、N2Oの還元能のみを示す微生物が存在した。硝酸還元能/亜硝酸還元能を持たないN2O還元微生物を利用すれば、農耕地からの施肥窒素の損失を抑えたうえで、温室効果ガスN2Oを低減することが期待されるという。
情報源 |
東京大学 農学生命科学研究科 プレスリリース
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機関 | 東京大学 農学生命科学研究科 |
分野 |
地球環境 水・土壌環境 |
キーワード | 温室効果ガス | オゾン層 | 東京大学 | 農業 | N2O | 一酸化二窒素 | 亜酸化窒素 | 酵素 | 脱窒 | 水田土壌 |
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