明治大学とNTTの共同研究グループは、土壌微生物の生存性を改変し、農地等に由来するGHGの排出削減につなげ、併せて化学肥料の使用量削減にも寄与する基盤技術を確立した。──本技術は、土壌微生物の長期生存に必要な遺伝子を特定し、それを人為的にコントロールするという新たなGHG排出削減の道筋を示している。研究では、モデル微生物として大腸菌を用いて、RpoSなど14個の転写因子を発見している。先行研究では、RpoSが土壌中の長期生存性に影響を与えることが分かっていたが、その他13個の遺伝子については今回初めてその関与が明らかになった。多種多様な転写因子を上手く使うことで、特定の微生物種の生存性を個別に制御することが可能となり、N2Oの排出削減が期待される。具体的には、土壌中の微生物がN2Oを窒素に変換する過程を促進し、温室効果ガスの排出を抑制する。──土壌の物理的・化学的性質を変える従来の方法とは大きく異なるものであり、土壌微生物を育成・制御するだけで最適な物質循環を創出し、環境負荷を低減につなげることができる日が来るかもしれない。
情報源 |
明治大学 プレスリリース
NTT ニュースリリース |
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機関 | 明治大学 日本電信電話(株) |
分野 |
地球環境 水・土壌環境 |
キーワード | 環境負荷 | 物質循環 | 微生物 | 温室効果ガス | 土壌 | N2O | 遺伝子 | 化学肥料 | 転写因子 | 長期生存 |
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