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 森林総研など、常緑広葉樹の歴史的変遷(10万年間)を解明

発表日:2018.09.28


  (国研)森林総合研究所、大阪大学ほか1専門学校・3大学の共同研究グループは、日本の代表的な常緑広葉樹「スダジイ(ブナ科シイ属)」の遺伝的多様性をモデル化し、約10万年間にわたる系統関係の変遷などを解明した。常緑広葉樹林の分布については、西日本の太平洋側の限定された地域から一気に広がったものなのか、過去に広がっていた地域のさまざまな種が広がったものなのか、長年議論がなされてきた。今回、研究グループは遺伝的多様性の解析にもとづく複数のモデルを構築し、氷期-間氷期(約10万年周期)における同種の生育環境を推定した。その結果、1)スタジイの祖先は11.8万年前に2つの系統に分岐し、2)そのうち一つの系統から4.3万年前に2つの系統が分岐し、3) 2.1万年前の最終氷期最寒冷期(LGM)の前に4つの系統グループが成立し、生き延びてきたことが示唆された。これらの知見は、遺伝的な境界を超えた苗木の移動等を制限する等の具体的な提言を可能とする、新たな根拠の提示するものであるという。

情報源 森林総合研究所 プレスリリース
大阪大学 研究情報
機関 森林総合研究所 大阪大学 岐阜県立森林文化アカデミー 筑波大学 京都大学
分野 地球環境
自然環境
キーワード 森林総合研究所 | 大阪大学 | 遺伝的多様性 | LGM | 常緑広葉樹 | スダジイ | 最終氷期最寒冷期
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