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 広大など、PM2.5の曝露による炎症性呼吸器疾患の増悪メカニズムを再現

発表日:2019.08.02


  広島大学、カリフォルニア大学およびドイツライプニッツ環境医学研究所の研究者からなる国際共同研究グループは、PM2.5(大気中を浮遊している2.5 μm以下の粒子状物質)が喘息(ぜんそく)などを増悪するメカニズムを解明したと発表した。1990年代以降、PM2.5の健康影響についてさまざまな疫学調査や実験研究が進められており、PM2.5に沈着した多環芳香族炭化水素(PAH)が気道の炎症を増悪する要因であることが分かってきた。一方、アレルギー性の炎症細胞に作用する「生理活性物質(サイトカイン)」も特定されつつあるが、PAHを受け容れた後の分子メカニズムは未解明であった。同研究グループは、日本では自動車排ガス由来のPM2.5が多いことから、肺胞の異物除去などを担っている「マクロファージ(白血球の一種)」にPAHを多く含む「ディーゼルエンジン排気粒子状物質」を曝露し、サイトカイン発現量を測定した。今回の実験を通じて、PM2.5の吸引によりマクロファージが活性化し、サイトカイン産出量の増加を経て、炎症が悪化するメカニズムが示唆されたという。

情報源 広島大学 研究成果
機関 広島大学
分野 健康・化学物質
キーワード PM2.5 | ディーゼルエンジン | PAH | 多環芳香族炭化水素 | 広島大学 | 喘息 | 生理活性物質 | サイトカイン | マクロファージ | 炎症性呼吸器疾患
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