慶応義塾大学と東京大学などの研究グループは、マテリアルズインフォマティクス(MI)を応用し、リチウム電池負極用の有機材料を発見した。MIは、コンピューターによる情報科学の手法を材料科学に取り入れた学問分野で、効率よく新規材料や代替材料の探索などができる。一方、実験科学者が小規模な自前のデータや経験知をどう活用するかが課題とされていた。同研究グループは、これまで、小規模で比較的正確な実験データと実験科学者の経験と勘を融合した「実験主導型MI」の手法を研究してきた。今回、リチウム電池負極としての容量を決定付けている少数の要因を、データ科学的手法の1つであるスパースモデリングで抽出し、この学習結果に基づき、抽出した因子を変数とした容量予測式(予測モデル)を構築した。この予想モデルで、市販化合物11種のうち3種が高い値を示し、実際にリチウム電池負極として容量を測定したところ、3種のうち2種は高容量を示した。この研究により、実験科学とMIの融合が材料探索を効率化する手法として有効であることが示されたという。