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 森林総研など、「遺伝子浸透」がミズナラの海岸進出を可能にしたと発表

発表日:2019.09.18


  (国研)森林研究・整備機構森林総合研究所と北海道林業試験場の研究グループは、「遺伝子浸透」によって内陸に生育しているミズナラが海岸でも生育できるようになったことを明らかにした。遺伝的に異なる集団は交雑帯をはさんで違いを維持し得るが、一部の遺伝子は互いの集団に浸透することがある。北海道には、カシワの分布北限があり、その北にはカシワのような葉や枝を有し、内陸のミズナラとは異なる「海岸生態型ミズナラ」が生育している。同研究グループは、ナラ類の全ゲノム配列を参考にしてそれらの遺伝子を調査した結果、海岸生態型ミズナラにカシワの遺伝子が一部含まれていることを見出した。浸透した遺伝子は、内陸のミズナラとカシワの交雑と、その結果生じた子孫の数世代に渡るミズナラとの交雑によって移入したと推定され、樹木の種の分化や、環境適応の仕組みの理解に資する知見であるという。

情報源 森林研究・整備機構森林総合研究所 研究成果
機関 森林研究・整備機構森林総合研究所 地方独立行政法人北海道立総合研究機構 北海道林業試験場
分野 自然環境
キーワード 森林総合研究所 | 北海道 | 適応 | 交雑 | 北海道林業試験場 | 遺伝子浸透 | ミズナラ | カシワ | 海岸生態型ミズナラ
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