北海道大学と森林総合研究所は、約40年間にわたる森林動態モニタリングの蓄積を活かして、気候変動が原生林に与える影響を解析した。北海道の北部、北緯44度付近に位置する同大・中川研究林には、寒冷な気候に適応した針葉樹と広葉樹が入り混じった針広混交林が成立している。複数の長期観察林が設置されており、1970年代から樹木ごとの生死や成長、新しい個体の加入などが記録されている。今回、針広混交林を成している「原生保存林」の記録データを用いて、気候変動や地形などの影響や、密度の指標を樹種ごとに解析したところ、1)夏期の気温上昇と降水量増加が針葉樹の成長に負の影響を与え、同研究林の針葉樹種すべての成長量が経年的に減少傾向にあること、2)逆に、夏季の気温上昇等は広葉樹の成長には正の影響をおよぼしていることが明らかとなった。一方、2004(平成16)年の台風は同研究林にも被害をもたらし、針葉樹の構成割合が約20%減少した原生保存林も見られた。気候変動の加速による針広混交林の変貌が予想されるという。
情報源 |
北海道大学 プレスリリース(PDF)
森林総合研究所 プレスリリース |
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機関 | 北海道大学 森林総合研究所 |
分野 |
自然環境 |
キーワード | 気候変動 | 森林総合研究所 | 北海道 | 北海道大学 | 原生林 | 広葉樹 | 針葉樹 | 森林動態モニタリング | 針広混交林 |
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