山梨大学は、ゲノム編集を用いて孵化できない魚を作製できることを見出し、外来魚の繁殖抑制に応用可能な手法として特許出願した。魚類や両生類の胚(幼生)は、卵から外に出る際に卵膜を溶かす酵素(孵化酵素)を分泌する。孵化酵素は「孵化腺」と呼ばれる器官で産生されており、脊椎動物の多くに保存されている転写因子「klf17遺伝子」が孵化腺の形成に関与している。同大学は実験動物として活用されているゼブラフィッシュの初期発生過程において、当該遺伝子が孵化腺をはじめ、血島(造血発生の場)および側線(水流を受容)といった形質の発現に関与していることを突き止めており、今回、同種のklf17遺伝子を破壊した変異体を作製し、表現型の解析に取り組んだ。その結果、変異体では孵化酵素の遺伝子やタンパク質の発現そのものが消失し、孵化不全になることが確認された。湖沼などの閉鎖水域にklf17遺伝子を破壊したオオクチバス(オス)を放流し、胚性致死させることで個体数を減少させることができるという。
情報源 |
山梨大学 プレスリリース(pdf)
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機関 | 山梨大学 |
分野 |
自然環境 |
キーワード | 山梨大学 | 外来魚 | オオクチバス | ゼブラフィッシュ | ゲノム編集 | 繁殖抑制 | 孵化腺 | klf17遺伝子 | 孵化不全 | 胚性致死 |
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