東京農工大学の研究チームは、くくりわなにかかった生きたシカをツキノワグマが襲い、捕食する一連の出来事を初めて記録した。──日本ではシカの数が増加し、農林業被害や生態系の改変が深刻化している。これに対処するため、シカの捕獲が全国各地で積極的に行われているが、くくりわなにかかったシカがクマに襲われる事例が報告されている。今回の研究では、栃木県日光市でくくりわなにかかったシカをクマが生きたまま捕食する様子を記録し、クマがわなにかかったシカを新たな食物資源として利用している可能性が示唆された。この事例は、わなを用いたシカの捕獲がクマに新たな食物資源を提供し、わなの見回りを行う人間とクマ以外の野生動物の双方に危険性をもたらすことを示している。──今後、クマがわなにかかったシカをどのように発見しているのか、類似事例がどの程度発生しているのか等、詳細調査の進展が期待される。研究チームは、人間と野生動物の双方の危険性を最小限に抑えるシカやイノシシの捕獲技術を開発し、実践することが必要だと提言している。
情報源 |
東京農工大学 プレスリリース
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機関 | 東京農工大学 |
分野 |
自然環境 |
キーワード | ツキノワグマ | 捕食行動 | 農林業被害 | シカ捕獲 | くくりわな | 食物資源 | 人身事故リスク | 生態系改変 | 栃木県日光市 | 野生動物の行動 |
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