(独)国立環境研究所は、神戸大学などと共同で、つくば上空の二酸化炭素の存在量とその長期変動を算出したと発表した。同研究では、同研究所内に設置されている高分解能フーリエ変換分光計で観測された二酸化炭素吸収スペクトル(2001年12月~2007年12月)を解析し、地表面から上空までのカラム(鉛直の柱)に存在する二酸化炭素の平均体積混合比(乾燥空気全量に対する比率)を時系列に算出。その結果、つくば上空の季節変動振幅は8.0ppm、年増加率は2.2ppmであることを示した。これはアジア初の観測結果であり、海外における同様の装置を用いた観測、衛星観測、モデル計算と比較して妥当であることが分かった。また、観測の相対精度は0.2%(1ppm程度)であり、2009年1月23日に打ち上げられた日本の温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)のデータ検証に活用可能であることが明らかとなった。