(公財)日本自然保護協会は、「日本クマネットワーク(JBN)シンポジウム(開催日:2019年11月10日)」における、四国に棲息するツキノワグマに関する調査結果の報告を紹介した。このシンポジウムは、同協会がJBNおよび(特非)四国自然史科学研究センターとの協力により進めているもの。剣山系(徳島県・高知県)において、四国自然史科学研究センターは、クマを捕獲して位置情報を記録する首輪をつけ、行動範囲を把握する調査を進めている。この調査で捕獲したクマの血縁解析(対象:2005年~2017年に捕獲した13頭)から、4組の母子・5組の父子を確認しており、個体数が16~24頭であることが推定されたという。また、捕獲調査が剣山系に限定されていたため、その周辺(剣山を中心に50キロメートル四方)にセンサーカメラを設置しクマの識別を行ったところ、識別された5頭のクマの内3頭は既知の個体であったという。今後、地域住民の理解を深め、クマの保全対策につながるような仕組みづくりをする必要があるという。