筑波大学、神奈川県立生命の星・地球博物館などの研究グループは、九州以北における分布記録が「北上傾向」にある熱帯・亜熱帯性魚類を発表した。同研究グループは、海水温の上昇傾向や熱帯・亜熱帯海域に分布する魚類の動向をモニタリングするために、相模湾周辺地域の沿岸域・流入河川において、2011年から継続的に魚類相調査を行っている。今回、2017年9月から2019年8月の間に実施した採集調査において、同地域における初記録となったり、北限記録や東限記録を塗り替えることとなる7種の標本を得ることに成功した。一方、過去の文献記録や、魚類標本資料・写真資料を調べた結果、分布記録更新につながった魚類はいずれも、1990年代または2000年代以降、九州以北、特に相模湾周辺も含む本州において記録が増える傾向にあった。また、中には、年を追うごとに記録される地域が徐々に北上していく種、本州や四国などで越冬に成功したと思われる種も見出された。地球温暖化や温泉排水等による水温上昇の影響などが示唆されたという。
情報源 |
筑波大学 注目の研究
神奈川県立生命の星・地球博物館 What’s New |
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機関 | 筑波大学 神奈川県立生命の星・地球博物館 |
分野 |
自然環境 |
キーワード | モニタリング | 地球温暖化 | 海水温 | 魚類 | 相模湾 | 標本調査 | 北上傾向 | 北限記録 | 東限記録 | 温泉排水 |
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