(国研)物質・材料研究機構(NIMS)は、北海道教育大学および浜松医科大学と共に、サナギ段階の作り方を模して、ハエ(成虫)の脚裏にある剛毛と同等の「接着構造」を人工的に製造する技術を開発した。循環型社会の進展に伴い、強力な接着・接合による頑丈さのみならず、リサイクル時の分解・分別や、繰り返し使用に配慮した製品設計が求められている。NIMSと2大学は、ハエなどが歩行するときに利用している脚裏の微細な毛に着目し、総合的なバイオミメティクス(生物模倣技術)による再現に取り組んだ。蛍光標識を用いてサナギの選択的な観察を行った結果、当該部位の形成プロセスは「ヘラ状」の骨組みの形成と固化という2ステップからなることが明らかになった。この比較的単純な工程にならい、室温で、ナイロン繊維の引き上げによる接着構造の形成と固化を試みた結果、一定程度の接着力や、脱着効果を有する接着構造が制作できることが分かった。産業用ロボット等への応用や、環境にやさしい製造技術としての普及が期待できるという。
情報源 |
物質・材料研究機構 プレスリリース
|
---|---|
機関 | 物質・材料研究機構 北海道教育大学 浜松医科大学 |
分野 |
環境総合 |
キーワード | バイオミメティクス | サナギ | ハエ | 剛毛 | 接着構造 | 生物模倣技術 | 蛍光標識 | ナイロン繊維 |
関連ニュース |
|