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 筑波大など、草原の継続期間を考慮した保全方策を提唱

発表日:2020.09.02


  筑波大学と神戸大学は、草原の時間的連続性(以下「継続期間」)が草原植物の多様性にもたらす効果を実証し、継続期間を保全優先度の指標として活用する手法を提示した。両大学は、過去の植生履歴が現在の生物群集に与える影響に関する報告などを踏まえ、「継続期間」を草原の保全優先度を特定する指標とする手法を着想した。今回、両大学は、長野県の菅平高原・峰の原高原(長野県上田市、須坂市)に広がる様々な継続期間の草原と森林(面積:約48 km2)を対象に、古地図・地形図・航空写真を用いて草原の新旧などを判別し、計18ヶ所のプロットを設けて植生調査を行った。その結果、「継続期間」が数100~数1,000年と推定される古い草原では、50~70年前に草原造成された新しい草原と比べ、在来植物や絶滅危惧種が多く見い出されることが明らかになった。ひとたび森林化すると草原植物の復元が困難であることから、継続期間に基づいて保全すべき草原を特定し、歴史ある半自然草原を優先的かつ集中的に保全していく必要があるという。

情報源 筑波大学 注目の研究
神戸大学 研究ニュース
機関 筑波大学 神戸大学
分野 自然環境
キーワード 生物群集 | 菅平高原 | 半自然草原 | 草原植物 | 保全優先度 | 植生履歴 | 峰の原高原 | 植生調査 | 自然草原 | スキー場
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