国内ニュース


 北大など、ザンビアの鉱業都市で重金属曝露リスクを評価

発表日:2020.10.12


  北海道大学は、ザンビア共和国のカブウェ鉱床地域において鉛・カドミウム等の曝露リスク評価を実施した。同大学は、JSTとJICAの連携事業である「地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)」やJST「持続可能開発目標達成支援事業(aXis)」の支援を受けて、同地域の鉛汚染メカニズム解明や、健康リスクに関する調査研究を進めている。今回、同地域の住民を無作為抽出し、504名の血液サンプルを分析した結果、鉱山跡地の近くに居住する住民ほど血中鉛濃度が高く、一部の地区では血中カドミウム濃度も有意に上昇していることが明らかになった。また、調査対象者のうち「成人」の20~50%は、肝臓・腎臓機能の指標が基準値から外れていることも分かり、とりわけデルタアミノレブリン酸脱水酵素の活性(ヘム合成の臨床的なパラメーター)が有意に低下していることが明らかになった。さらに、0歳~4歳を除く全ての年齢層において,血中カドミウム濃度と老廃物を尿中に排出する能力の指標の間に負の相関関係が示された。これらの結果は、同地域の住民が鉛曝露や鉛・カドミウム中毒の影響を受けている可能性を示唆するものであり、適切な汚染対策や治療を早急に実施する必要があるという。

情報源 北海道大学 プレスリリース(研究発表)
機関 北海道大学 ザンビア大学
分野 健康・化学物質
キーワード 鉛 | 北海道大学 | カドミウム | SATREPS | aXis | ザンビア大学 | ザンビア共和国 | カブウェ鉱床地域 | 血中Cd濃度 | デルタアミノレブリン酸脱水酵素
関連ニュース

関連する環境技術