山口大学環境DNA研究センターと環境総合リサーチ(株)の研究グループは、魚類の産卵行動調査への「環境DNA分析」の適用可能性を検証した。一般的な魚類の産卵調査で実施される目視や捕獲調査は、地理的制約や見せかけの産卵行動(偽産卵)によるミスカウントがあり、また捕獲による親魚への負担が課題と考えられた。同研究グループは、環境DNA分析を魚類の産卵行動モニタリングに適用できる可能性があると考え、2種類のメダカ(キタノメダカ、ミナミメダカ)を対象に水槽実験と野外調査を行った。水槽内で2種のメダカを交雑させたところ、オス側の種の環境DNA濃度の上昇が確認され、産卵行動により放出された精子が環境DNA急上昇の主要因である事を突き止めた。また、偽産卵では環境DNA濃度の上昇は確認されなかった。野外調査においても、産卵期の産卵時間帯の前後において、環境DNA濃度の急上昇(3~25倍)が確認された。これらの成果は、環境DNA分析が生物の分布調査だけでなく、産卵調査にも利用可能であることを示すという。
情報源 |
山口大学 新着ニュース
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機関 | 山口大学 |
分野 |
自然環境 |
キーワード | 魚類 | 山口大学 | 環境DNA | 環境DNA分析 | 環境総合リサーチ | 産卵行動 | 産卵調査 | 偽産卵 | キタノメダカ | ミナミメダカ |
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