京都大学、龍谷大学および千葉県立中央博物館の研究グループは、環境DNA分析と既存手法を組み合わせることで、希少哺乳類の生息地を効率的に把握できることを実証した。野生動物の生息地調査は、生物多様性の保全管理に必要不可欠な手順であるが、個体数が少なく、発見すら困難な哺乳類等も少なくない。同研究グループは、環境省レッドリスト2020において九州地方の集団が絶滅のおそれのある地域個体群(LP)に指定されている「カワネズミ(Chimarrogale platycephala)」に着目し、同種が生息可能な京都大学芦⽣研究林内において、2016年6月から10月にかけて渓流水の環境DNA分析を行った。その結果、全16地点のうち2地点から同種のDNAが検出され、2017年の6・7⽉に当該2地点に⾃動撮影カメラを設置したところ、歩行するカワネズミの姿を捉えることに成功した(撮影時間:合計1,790時間)。「環境DNAメタバーコーディングによるスクリーニング+従来法による詳細調査」という戦略に基づく調査法は、個体数が少なく、夜行性の小型哺乳類はもとより、さまざまな生物の生息地調査に応用できるという。
情報源 |
京都大学 研究成果
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機関 | 京都大学 龍谷大学 千葉県立中央博物館 |
分野 |
自然環境 |
キーワード | 生物多様性 | 京都大学 | 千葉県立中央博物館 | 龍谷大学 | 環境DNA | 環境DNA分析 | 生息地調査 | カワネズミ | 芦⽣研究林 | ⾃動撮影カメラ |
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